貧血予防 ~貧血はなってから治すよりならないことが肝心~
スポーツ医・科学 委員会
貧血予防 ~貧血はなってから治すよりならないことが肝心~
スポーツ栄養士 大坪 豊寿(龍馬学園看護ふくし専門学校 講師)
現在、私が栄養アドバイスをしている中高校生は男女関係なく貧血に悩まされる選手は少なくありません。貧血は鉄剤を服用し、同時に食生活を見直すことで治療しますが、とても時間がかかり、その間トレーニングを休まなければならない場合もあるので予防が肝心です。
スポーツ選手が貧血になりやすい理由としては大量の汗から鉄が流出やジャンプやランニングなどで足裏の衝撃を受けることで赤血球が壊れやすい。さらに、成長期であれば体を作るために多くの血液が必要になります。
そもそも貧血とは血液中のヘモグロビンが減少しておこる病態です。ヘモグロビンは赤血球に含まれる色素で鉄を含んだたんぱく質でできています。体内では酸素運搬をしているので、ヘモグロビンが減少すると体の組織に十分な酸素は行きわたらないために、パフォーマンスの低下に繋がります。
一般的な症状は、めまい、だるさ、息切れ、頭痛、食欲不振、朝起きられないなどの症状があり、貧血だけに現れる症状ではないが注意が必要です。貧血はある日突然になるわけではないので気が付いたら睡眠や食生活を見直してください。それでも症状があるときには、病院を受診してください。
予防のポイント
最優先は十分なエネルギーをとることです。糖質不足は貧血の原因のひとつでもあります。主食であるご飯やパンなどを摂取し、補食も活用して糖質不足がないようにします。
糖質を含む食品:ご飯、パン、麺類、餅など
鉄を含む食品:肉(レバー・赤身牛肉)、魚(青魚・いわし)、あさり、豆腐など
たんぱく質を含む食品:肉類、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
ビタミンⅭを含む食品:柑橘類、イモ類、根菜類、緑黄色野菜など
ビタミンB群(B6・B12・葉酸)を含む食品:レバー・海苔・卵・枝豆・うなぎ・青菜など
銅を含む食品:レバー・納豆・ココア・ゴマなど
