全身アイソメトリック・トレーニング法 Part.Ⅱ ―ゼロからのスタート―
スポーツ医・科学 委員会
全身アイソメトリック・トレーニング法 Part.Ⅱ -ゼロからのスタート-
アスレティックトレーナー 吉田 修(町田整形外科)
我々の身体が、止まった状態から、「より速く」目的の動作や場所に移ることは、非常に重要です。
立位時の場合、安定した支持基底面を、足部で踏ん張って得ているわけですが、上手く身体を動かすコツとしては、足部以外の遠い体幹の一部を、より速く支持基底面から外していく事です。上半身から動きを起こします。
図.1の場合、左足で蹴る動作を意識するのではなく、右側の肩の付け根付近を意識して、その部位より動かしてみましょう!
図.2の場合も、右足の拇趾球で、蹴ってターンするよりは、左肩の付け根を意識して、その部位より方向転換してみましょう!
トレーニング方法としては、壁などを利用して身体の重心をズラします(支持基底面を変える)。その身体を止めた状態で、全身の筋肉に力を入れて、上半身から下半身へと運動連鎖を起こしていきます!
(ボディービルダーのポージングです。今回は、固定された壁や支柱を利用して、押す・引く動作を行いましょう!)
図.3 ランニング動作「切り返し」を獲得
上半身と下半身を一体化(同側に力を入れる、腹筋、背筋も力を入れておく)
前側の身体を ⇒ 後方に力を入れる(肩甲骨周囲→殿部)
後側の身体を ⇒ 前方に力を入れる(肩の付け根付近→股の付け根付近)
足部は、前足部接地
2-3秒ほど力を入れて5回程行いましょう!
図.4 両足開脚位 サイドステップ・クロスステップ動作獲得(「切り返し」動作)
図.5 両足クロス位からの「切り返し」動作獲得
上半身 ― 大胸筋、肩甲骨&腹筋、背筋を意識
下半身 ― 腹筋、背筋&骨盤―股の付け根―お尻(殿部) などを意識
サイドステップの場合
前側の身体を ⇒ 前方に力を入れる
後側の身体を ⇒ 前・内方に力を入れる
クロスステップの場合
前側の身体を ⇒ 後・外方に力を入れる
後側の身体を ⇒ 前方に力を入れる
足部は、前足部接地
2-3秒ほど力を入れて5回程行いましょう!