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カフェインの過剰摂取について

カフェインの過剰摂取について

スポーツ栄養士 大坪 豊寿

最近、若い選手を中心に「エナジードリンクはどのくらい飲んでいいですか?」、「1日何本までですか?」と質問されることが多くなりました。コンビニや自動販売機で手軽に買うことができるので、スポーツ選手に限らず日常的に飲んでいる人が多いように思います。エナジードリンクを飲む理由としては、眠気覚ましや集中力アップなどがあげられますが、カフェインの摂取量や血糖値の乱高下には注意が必要です。カフェインを過剰に摂取した場合、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

1日の摂取許容量について調べてみましたが、個人差が大きいことなどから、日本においても国際的にも設定されていませんでした。しかし、海外では注意喚起が示されています。その一例として、豪州・ニュージーランド では、一日許容摂取量(ADI)などのガイダンス値は設定されていませんが、子供では3 mg/kg体重/日 のカフェイン摂取で不安レベル(Anxiety level)が上昇するという根拠があるとしています。この量は9~13歳の子どもでは、1日当たり120 mg(コーラ約2缶)、大人では240 mg(インスタントコーヒー約3カップに相当)、そのうえで以下の推奨摂取量(上限)を定めています。18歳以下では、1回の摂取で体重1 kg 当たり3 mgを超えない量(体重40 kgの子供では、120 mgを超えない量)、18歳より上の人では、1日当たり400 mgを超えない量、もしくは1回の摂取で上限200 mgと記載されていました。(農林水産省ホームページ抜粋)

カフェインが含まれる食品として、エナジードリンクまたは眠気覚まし用飲料・清涼飲料水・コーヒー・紅茶・お茶などがあげられます。カフェインの含有量が多いコーヒーは100mlで約60㎎、エナジードリンクはばらつきがあり100mlで32〜300㎎と製品によって異なります。エナジードリンクは、1缶または1瓶あたりのカフェインの量を記載するようになっているので確認して下さい。子供、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などは飲用を控えた方が良いと思います。カフェインを多量にとり続けるともっと飲みたい気持ちを抑えられずに、毎日飲むようになり、依存性が高くなる可能性もあります。カフェインの過剰摂取について「農林水産省」、「内閣府食品安全委員会」、「厚生労働省」などからも注意喚起されています。

エナジードリンクを頼る前に食事・睡眠・運動など日々の生活習慣を見直したいものです。