> スポーツ医・科学委員会 > スポーツ医・科学豆知識 > 全身を上手く使えるようにする運動 ーランニング動作を考えてー

全身を上手く使えるようにする運動 ーランニング動作を考えてー

全身を上手く使えるようにする運動 ーランニング動作を考えてー

アスレティックトレーナー 吉田 修(町田整形外科)

いつの間にかの姿勢

 我々が、何気なくとる姿勢は、概ね左右対称です。いわゆる、“気を付け”の姿勢です。
 それは、横方向へは、比較的安定しますが、前後方向へは、不安定です。スポーツの場面で、物を取ろうとする動作などでは、脚が、揃ってしまう と、バランスを崩しやすくなります。
 そこで、左右非対称の動きを獲得しましょう。

①図.2.3 上半身から下半身への連動体操(踵から反対の踵へと重心移し)

 股関節を、中心に、身体全体を後方から前方へ、また逆動作を繰り返します。
 10回程、左右の脚も前後入れ替えて行いましょう。
 動作の切り換え時(後方の踵に両手を持ってくる⇔前方の踵に両手を持っていく)に、2秒ほど止めて下さい。
 前後の膝関節、足部は、固定して、動かさない・捻じらないでください。
 両側部の踵は、浮かしておくか、前方の踵は、重心が、後方の時は(図2)、踵接地でも構いません。図3.前方移動の際は、踵をわずかに浮かし、足ゆびで、地面をキャッチしてください。
 同時に、前方の膝関節は、しっかり曲げておいてください。


➁ 図.4.5 バランス腕振り体操(赤い線は、“壁”です)

 主に鍛える下肢は、壁支持脚です。
 電電太鼓のように、身体全体から、肩の力を抜いて、腕を10秒程、全力で振りましょう!
 脚を変え、両方行いましょう。
 床支持脚は、股・膝関節をしっかり曲げた状態で、身体を倒してください。
 浮かした壁支持脚の股関節は床支持脚より後方へ、膝関節は十分に曲げ、力を向いた状態で踵を殿部付近に持っていきます(足関節は背屈位{反らした状態})。