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疲労からのリカバリー(回復)

疲労からのリカバリー(回復)

理学療法士 木下雄介(介護複合施設 輝)

 日本疲労学会では「疲労とは過度の肉体的及び精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。疲労という感覚は痛みや発熱とともに身体が発する三大アラート(警告音)のひとつといわれ、身体が正常な状態を保てなくなる危険信号です。
 スポーツで体を酷使した後に起こる疲労が末梢性疲労、身体を酷使してないが長時間の会議や勉強、人間関係などストレスや緊張状態が続く頭や精神的な疲れが中枢性疲労といわれます
 ここではスポーツで起こる末梢性疲労(筋疲労)からのリカバリー(回復)を考えたいと思います。まずは何のためにリカバリーを行うのか目的意識をしっかり持つことが大事です。休むことが目的でなく、しっかり疲労を回復させその先に練習、強化があることを踏まえてほしいと思います。試合や練習後など限られた時間にチームでストレッチ等を行うことは今では普通の光景になっています。さらにコンディションをよくするためには各自でストレッチ等を行うことが重要です。
 疲労度の一つの指標として柔軟性があります。毎朝起床時の立位体前屈や長座体前屈を行うことで自分の現在の柔軟性の状態を知ることも良いかもしれません。特に激しい運動の翌日、起床時は柔軟性が低下するので、自分の正常時と疲労時の状態を把握しケアすることで怪我のリスク管理にもなります。疲労が強いときはエアロバイクやジョギングを痛みのない範囲でゆっくり行い循環を促し、リカバリーに努めることも重要です。自分の身体をよく知り疲労からのリカバリーを考えてほしいと思います。
 もちろん、栄養、睡眠も重要です!