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アンチ・ドーピング 2

アンチ・ドーピング 2

スポーツドクター 廣瀬 大祐(ひろせ整形外科リハビリテーションクリニック)

 ドーピング違反が起こる一番大きな原因はうっかりドーピングです。故意に使用したわけではなく、不注意によるうっかりミスで検査にひっかかってしまう場合です。市販のかぜ薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬などには禁止物質を含むものが少なくなく、「かぜ気味だから」とか「胃の調子が悪いから」などで安易に使用するとドーピング違反と判断され、その結果、重い罰則を科されてしまうことがあります。
 また病院で処方される薬の中にもドーピング違反にあたるものがあります。特に喘息の治療は要注意です。ホクナリンテープ(ツブテロールテープ)、メプチン吸入はよく使用されていますが、禁止薬物を含むため、ドーピング違反になります。またレルベア吸入も同様です。これらを使用している場合はTUE申請する必要がありますが、他に変更できる薬があるためTUEが認められない可能性があります。その他アレルギーの薬「ディレグラ」、高血圧治療薬の利尿薬も禁止物質です。
 禁止薬物は1年ごとに見直しもありますが、病院で処方を受けている場合は一度スポーツドクター・スポーツファーマシストに相談してみてください。